ギロチンの運命から逃げきれ!『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』感想レビュー

青年マンガ

作品名:ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

著者名: 漫画 杜乃ミズ、原作 餅月望

出版社:TOブックス(コロナ・コミックス)

ジャンル:青年マンガ

あらすじ

崩壊したティアムーン帝国で、わがまま姫と蔑まれた皇女ミーアは処刑された――はずが、目覚めた彼女は12歳に逆戻り??
第二の人生でギロチンを回避するため、失敗した過去をやり直す――

「こ、これぐらいわたくしにかかれば簡単ですわ!」

保身上等! 自己中最強!
小心者の元(?)ポンコツ姫が前世の記憶を使って運命に抗う、一世一代の歴史改変ファンタジー!

コロナEX公式HP『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~@COMIC』より引用

主人公のミーアはティアムーン帝国の皇女。革命が起きて、ギロチンにかかって首を落とされたと思ったら、過去に戻っていた、というところから物語が始まります。

このままいけば、間違いなく再びギロチンで処刑されることになってしまうでしょう。

前世の記憶をフル動員して、ミーア姫はギロチンの運命から逃げ切ろうとします。

感想

失敗した過去に戻って、人生をやり直す。よくある設定ではありますが、この漫画はとにかくそのお約束が気持ちよく展開されています。

主人公のミーアは元々わがままで、帝国の皇女らしからぬ言動を繰り返した結果、前世では最終的に革命によって処刑されてしまいます。

過去に戻ったことで前世の行いを反省し、心を入れ替えて人のために生きていく、のかと思えばそうではありません。

ミーアの本質は過去と同じで小心者であり、自分が一番であることには変わりありません。

しかし、先の未来を知っているからこそ、それ以上の不幸(ギロチンの運命)から逃げるためには多少妥協したり、他の人に親切になったりします。

そんなミーアを見た人々はミーアの行動、そしてミーア自身が全く想定していなかったことまで勝手に想像し、それらを称えるようになるのです。

ミーアの本心と、周りの人々の勘違いが面白いほどすれ違いながら、それでも良い結末に向かっていく。そんなやり取りに笑いながら、ミーアがこれからどんな風に未来を変えるのか気になって、どんどん先を読みたくなります。

そんな笑いありの物語ですが、一方で途中ではさまるミーアの前世の話は悲惨なものになっています。

前世の話が出てくるたびに、今回はそうならなくて良かったと思うのと同時に、もうどうしようもなかった悲劇で胸にくるものがあります。

物語本編の明るい雰囲気とは対照的な前世の話ですが、それがあるからこそ今回のミーアはなぜそんな行動をしているのかの理由付けにもなっていて、ストーリー全体に深みが出ていると思います。

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